IOL第一章「少し違う方向に進んだ地球の話」その4(仮) 前半
「食いながらで構わない。とりあえず聞いててくれ」
そういうと他の奴らは同意っぽい返事をする。
「まず前年度までの印象、これは『お硬い生徒会』って一言で表されるのだが、これは少々問題なわけだ」
「え?どこに問題点があるというのでしょうか?」そうヤフーが声にすると、周りも疑問のような表情を浮かべた。
「お硬いとまぁ話しかけにくくなってだな、簡単にいえば生徒会に『意見』を持ち込みにくくなるわけだ。そうするとどうなるか、生徒の間での『問題』ってもんに気付くのが遅くなる。それはそのまま自動的に『不満』に代わって学校生活が嫌になる。それが増えれば最終的に学校が廃っていく、というわけだ。よって今年の目標は『親近感のある生徒会』にする。というわけで何か質問はありますか?」
そういうと案の定質問が来る。
「意味は理解しましたが、具体的にはどのようなことをするおつもりですの?」
リーアが尋ねる。
「まずだな、目安箱みたいなのあったろ。あれ撤去する。いやもうしてきた」
「ファッ!」当然の反応だろう。
一番焦っているのはリラだった。
「どどど、どういうことなの?それじゃ生徒の意見聞けないじゃん!」
「その発想が間違ってるんだ」
「結局のところどういうことでしょうかライフさん」
ハンナは表情こそ動かないものの、少し焦ったように聞いてくる。
「そう焦るな。あの忌まわしき箱を撤去すると相談やら意見やらをしたいやつはどうすると思う?」
ここでガレスが「んー……俺なら直接ここに来る」と意見する。
「そうだろうな。そうやって生徒会と生徒とが直接会話することができる、そうするとどうなる?」
ヤフーが冷静に状況判断を行った結果を話す。
「より親身になって相談に乗ることは可能でしょうね」
「それだけか?」
発想の豊かなリーアが何か思いついたように話す。
「適当な意見なんかが安易に言えなくなるので自動的に意見の選別ができますわね」
「ご名答だ。こっちはより重要な問題の解決にあたれるし遊び半分の意見は無くなるから、投書の内容を見る作業が省ける」
「確かに効率化を計る面でも優れていて、生徒との親交も深くなれるね。でもこれにはしっかりとした広報活動とか自分たちでも問題に気付くような努力が必要だね」
ようやく理解と整理が追いついたリラがそう呟く。勿論想定済みだ。