IOL第一章「少し違う方向に進んだ地球の話」その2(仮)
適当なタイミングで無意味な解説を終了させると、ちょうど終業のチャイムが鳴った。
「あっ…終わっちゃいましたね。それじゃぁこれまで。さっき言った宿題ちゃんとやってきてくださいね~。それじゃぁお疲れ様でした~」
先生による解散の合図を聞き、そのまま教室を出ると後ろをついてくる少女がいた。
「もう!ライフくんまた授業つぶして!」
怒ったような口調で俺に話しかけてくるその少女の名前はリラ・ライオネル、まぁわけあって共に行動することが多い。
………周りからすると………。
「おうおう今日もお熱いですなぁ~また『おしごと』ですかぁ~?ホントに幼馴染ってだけなのかなぁ~?」
こうだ。
仕事というのは、生徒会のことである。まぁ成り行きというか一応意志的になのだが、俺は生徒会長を務めている。
そしてリラは、会長補佐として生徒会に参加している。
「そう思うなら俺の代わりにやってみるか?こいつは相当お高いぜ?」
「んあぁ…その…悪いけど、遠慮しとくわ」
まぁ期待してなかったが期待通りの返事だった。
「もう!ライフ君からかっちゃだめでしょ!それにお高いってどういうこと!?」
「わりぃわりぃ。まぁ気になるなら生徒会室くらいいつでも来いよ それじゃ」
そう言って背中を向けると生徒会室へ向かう。
「ライフ君はどうしていつもそうかな?そんなにバレるのが嫌?」
「ん…。まぁな」
「なんで嫌なの?確かにちやほやされるのはあまり好きじゃないけど…」
「ん~…まぁ言うとしたら……」
この時、俺はどんな顔をしてこの言葉を出したのだろうか。
「…俺に人並みに幸せになる権利があるのか……そいつに迷ってるうちは、俺は…」
俺は情けなかった。とある、正直どうってこともない。むしろ広げてしまった方が楽なのかもしれない『隠し事』を、俺は言いだせないで6年間抱え続けている。しかし、その淡くもしっかりと色のついた赤い長い髪をおろした少女はこう答えた。
「ライフ君…。そっか。じゃあしょうがないね」
この女はなんて天使なんだこの野郎オオオオオオォォォォォ!俺は瞬時にそう思った。自分で言うのもなんだが、俺は彼女に相当迷惑をかけている。それをいとも簡単に「しょうがない」の一言で済ましてしまったなんという優しさだ全く!
まぁ理由はあってのことなのだが…。
「あのこと…まだ抱えてるんだね」
「……ああ。悪ぃな」
あのこと以外にも、『隠し事』はいくつかあるが、今はいい。
あのことについて、今は深く思い出すところではないだろう。それより、今は生徒会室に行かなくては。
「ライフ君…大丈夫だよ。私も…一緒に背負うから」
「おう、悪ぃな、まぁ気にすんな…とも言えないんだけどな。いいから早いとこ行くぞ」
「う…うん。そうだね」
ともかく俺たちは生徒会室へ向かうことにした。