イノベーション オブ リバティー -Innovation of Liberty- (IOL)

らいふぁいやによる、創作作品「イノベーション オブ リバティー」の小説を載せるページ。

IOL第一章「少し違う方向に進んだ地球の話」解説 種族と歴史について(仮)

 ―――戦争と種族に関して

 

 

百年ほど前、世界が今ほど平和では無かった頃の事。

国家とは種族ごとの集まりで構成されており、大体が一種族、もしくは二種族程度で構成されていた。

人族から成る国家〈アステリア皇国〉

猫族から成る国家〈オフィーリア共和国〉

犬族から成る国家〈ルーフィス民主共和国〉

機械族から成る国家〈マーリカ国〉

精霊・妖精族から成る国家〈フィランディア王国〉

竜族・魔族から成る国家〈バシリル連邦〉

天使族から成る国家〈セレスティア公国〉

兎族からなる国家〈ベラーシュ共和国〉(ちなみに現在はアステリア皇国に吸収され自治領という扱いになっている)

この八国によって世界が成り立っていた。

しかし、種族で国を持たない種族もあり、狐族は世界じゅうに散らばって生活していた。

そんな国々が平和的に存在している筈もなく、百年ほど前は互いに戦争をしていた。

事の発端はベラーシュ共和国は国内の人族が全体の三割を超えたことにより自国民族優遇の法令を制定したことからだった。国内の人族が反発し、テロやクーデターなどを多数実行した。これにベラーシュ政府は武力による鎮圧を計り、それに対しアステリア皇国が激しく抗議、国境に同国軍を配備した。しかし、なおもベラーシュは武力による鎮圧を辞めず、アステリアがついに「自国民防衛」を名目にベラーシュに宣戦布告した。一月足らずでベラーシュの国軍およそ七割を無力化、翌月には停戦協定の提案を無視し首都進攻作戦を開始し、わずか1日で決着がついた。ベラーシュ共和国は無条件降伏し、一週間後に「ベラーシュ共和国併合に関する条約」を発行し、ベラーシュの土地はアステリアのものとなった。

それに、オフィーリア・ルーフィス同盟とマーリカ国が反発して物資の輸出をストップさせた。四年の軍事緊張の後、アステリア皇国、マーリカ国間の海上にてアステリア輸送船が撃沈したことをきっかけに事実上の戦争開始が決定した。九ヶ月もの長い闘いを続けアステリアが海軍の六割を失う大敗北を喫し、以降アステリアは守勢に転じる。三ヶ月後に旧ベラーシュ共和国内で大規模な反乱が発生したことによりオフィーリアは進攻を停止し、均衡状態に陥った。

さらに別の場所ではフィランディア王国とバシリル連邦がそれぞれの信仰するものの違いからの戦争、いわゆる宗教戦争が勃発した。一時フィランディア王国王都手前まで侵攻されるも王都の大規模精霊守護魔法により、撃退した。その後に、国内から追い出し、一七一年一一月に戦争開始時の状態まで反抗に成功するも、両国は兵力を多く失い、膠着状態に陥った。

両争いとも硬直状態に陥り、終わらせることも続けることも困難になってきた。そんな時にセレスティア公国の見事なまでの仲裁により、戦争は終結した。

各国は貿易をさらに盛んにすることで疑似的に集団安全保障の体制を組み、むやみに戦争を起こせない状況となった。

その影響によって、国家という枠組みは単なる種族のまとまりだけでは無くなり、あらゆる種族が各国に住むようになったのであった―――。